このブログは、DAMコミュニティが時間をかけて発展させてきた考え方のうち、再評価する必要があるものを取り上げた本シリーズのパート4にあたります。
このブログでは、もう一つ別の考え方についてお話しします。一過性のコンテンツには一時的な価値しかないということです。最新のFacebook広告が極限までパーソナライズされ、ある状況に限られているものなら、それを維持することに何の意味があるのでしょうか?
しかし、コンテンツが一過性だからと言ってその価値が短命ということにはなりません。これは、このシリーズのパート3でお話ししたプログラマティックコンテンツ制作の重要性と密接に関連しています。一時的なコンテンツの性質を掘り下げる前に、まず従来のコンテンツを見てみましょう。
これまでの歴史では、Nicole KidmanをフィーチャーしたChanelの有名なBaz Luhrmanキャンペーンのように、コンテンツは慎重に編集、作成され、費用もかかり、長く持続しました。その美しさは、3分のコマーシャルを見ればわかります。
テレビコマーシャルや番組のエピソードのような高価値のコンテンツの数が比較的少ない場合、スプレッドシートとチームの知識を活用してコンテンツを追跡し、それを見つけ出し、使用権の確保などのプロセスを手動で作業することはそれほど面倒ではありません。コンテンツの制作に数万から数十万ドル、または数百万ドルのコストがかかる場合、その管理労力のコストは相対的に低いのです。明らかに理想的とは言えませんが、不可能でもありません。
マーケティングキャンペーンが終了すると、作成したコンテンツの価値は大幅に低下します。ただし、新しいキャンペーンのインスピレーションを生み出す場合は対象外です。このように価値の推移というのは、価値を獲得している期間は長いですが、急に低下するものなのです。
しかし、今日のウェブページ訪問者のほとんどは、短期的なコンテンツに移行しつつあります。つまり、そうしたコンテンツは、ソーシャルでモバイル、リアルタイムで、高度にパーソナライズされおり、長期間にわたり幅の広いオーディエンスに広く適用されるものではありません。市場統計を少し見てみましょう。
米国に限っても、メディア消費の成長はすべてデジタル関連です。
もちろん、これは米国のトレンドに限ったことではありません。中国でも、メディア消費全体のうち、インターネットの消費量は過去数年間で30%から50%以上に増えています。
世界的に見ると、今年のオンライン広告費はテレビを上回ることが予想されます。もちろん、広告費は消費者にどのような関心があるのかを示す遅行指標です。
大量のコンテンツを配信する唯一の方法は、前回の記事で説明したようによりプログラマティックなアプローチを利用することです。リミックスのためのコンテンツをデザインするときには、定義上はるかに再利用しやすくなります。同じ作業を正確に何度も繰り返さなくても、バリエーションが生じます。つまり、以下に示すように、各作品の価値が以前よりも低くなっても、作成したコンテンツからさらなる価値を引き出すことことが可能になります。
もちろん、コンテンツを再利用するには、そのコンテンツを保存し、見つけ、新しいものに簡単に組み替える必要があります。まさにDAMが重要な役割を果たす分野です。一時的なコンテンツを保存することから始めましょう。
このシリーズのパート5では、イメージを取り上げます。イメージは今でもDAMの主要なコンテンツタイプなのでしょうか?ご期待ください!
このブログシリーズに興味がありましたら、来週開催されるDAM LA 2017カンファレンスにぜひお越しください。DAMのトレンドとその対応について意見交換ができればと思います。第1日目のキーノートスピーチと第2日目はベンダーパネルセッションにおいて、このシリーズで説明したアイディアを詳しくお話しします。お会いできるのを楽しみにしています。