イノベーションは現実のプロセスに根ざしていなければならない

AIの泥沼

人工知能(AI)が何かと話題になり、このトピックに対して高い関心が寄せられています。AIは、データと自動化を使用して反復的な単純作業を排除し、社員が会社にもっと大きな価値をもたらす活動に集中できるようにすることを約束します。ただし問題は、真に違いをもたらすような方法でAIを使うことです。

技術の泥沼にはまらずにAIを最大限に活用するには、どうすればよいのでしょうか。そこで、この質問をNuxeoの製品マーケティング担当バイスプレジデント、David Jones氏に問いかけてみました。DaveはAIIM (Association for Intelligent Information Management) Internationalの理事も務めていて、デジタルトランスフォーメーションのシステムと戦略の専門家です。インテリジェント情報管理のイノベーションといまだ実現していない機会についてのインタビューを、この連載でお届けしています。AIがもたらす「可能性の芸術」を話題にした前回のインタビューもご覧ください。今回は、AIが実務に役立つのかどうかを中心に話を進めていきます。

AIに関心が寄せられていますが、Daveさんは、このアプローチを実務に役立てないかぎり今の話題性はすぐに薄れると警鐘を鳴らしていらっしゃいますね。これはどういう意味ですか。

AIの未来に大きく期待する気持ちは、私も同じです。が、今の議論はしばしば理論的で、企業が日々管理し改善しなければならない日常業務には必ずしも関係しない能力に基づいています。AIは、すばらしい予測的なことを可能にしますが、それらの可能性を理解するのは難しいかもしれません。結果として、AIの可能性は無駄にされています。

では、AIをより実践的に活用したいと考えている企業が取るべき最初の一歩として、何を推奨されますか。

大きなトランスフォーメーションの可能性と小さなタスク志向のプロセス改善の中間でできることがあるというのが、私の持論です。そのような中間の取り組みは、やや面白味に欠けるかもしれませんが、AIにとって重要かつ価値のあるユースケースです。コンテンツの発見が、すべての核となります。

これまでの調査によると、情報リポジトリに通常保管されているコンテンツの80%は、重複したコンテンツ、古くなったコンテンツ、あるいは瑣末なコンテンツだとされています。そこで、AIを使用して、どの80%がそのようなコンテンツかを見極め、それに該当するものは削除するか、ロータッチな保管ポリシーやプラクティスを適用して、その情報を上手に管理するようにします。人がドキュメントを一つ一つ開いて確認し、どれを記録として保存するかを決めるのではなく、AIにそれをやってもらうのです。

でも、会社のコンテンツのステータスを評価するというのは、「言うは易く行うは難し」ですよね。これに対してNuxeoではどのようなアプローチを提案していますか。

弊社では、複数のレイヤーでこれを実行するAIのフレームワークを開発しました。Amazon、Google、Facebookなどの企業は、高度なAIエンジンを構築して広範な機能を実現していますが、それらのエンジンを使うのは難しく、高度なスキルが必要であると、私たちは考えています。それに、これらのエンジンですら、依然として汎用的です。

Nuxeoが構築したのは、これらのエンジンを包んで、使いやすくし、簡単に学習させられるようにするものです。業界や業務特有のデータセットをこれらのAIモデルに適用するのも、非常に簡単です。結果として、より的が絞られた実践的なアプローチとなり、現実のシナリオで有効活用できるようになります。

もう少し詳しく説明していただけますか。

AIエンジンにトラックの写真を見せるというシナリオが、その一例です。これがトラックの写真で、タイヤが4本あり、色は青、メーカーはフォードで、湖畔に停められていることを、システムは認識します。AIは、カテゴリー化したり分類したりするという点において、そこそこ効果的です。それはそれですばらしいのですが、必ずしも役に立つとは言えません。フォードの社員がこのシステムを使っていたなら、もっとフォードに特化した情報を知りたいと思うはずです。

Nuxeoの人工知能

具体的にどのモデルのトラックなのか。トラックのアルミホイールはどのタイプか。この青の塗料番号は何か。
これらは、真に業務特有のインテリジェンスと自動化に欠かせない類の情報です。

Nuxeoのフレームワークを使えば、この業務知識を追加してAIモデルをトレーニングし、そのように具体的な情報を返せるようになるというわけですか。

そうです。収集されるデータ、提供される洞察が、御社の事業やビジネスプロセスにとって、もっと的確になります。

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Kevin Craine

Kevin Craine氏は、ビジネス専門ライター兼技術アナリストであり、定評あるポッドキャストのプロデューサーとしても知られています。Twitterで影響力を発揮するエンタープライズコンテンツ管理業界のナンバー1インフルエンサーに選ばれたことがあり、また世界中に同氏のリスナーやリーダーがいます。詳細はCraineGroup.comをご覧ください。
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