世界最大手クラスのある銀行で、商品化までの所要時間を短縮し、顧客体験を抜本的に改善して、技術コストを削減するよう取締役会が要求してきた時に、ソリューションとして選ばれたのが Nuxeo でした。

この銀行は、この先前進するには大きな課題に直面していると感じました。第一に、市場のトレンドや業界の力関係が、銀行のあり方を急速に変化させていました。従来の収益計上方法は、伝統にとらわれない競合からの脅威にさらされていました。規制の変更によって、すべての銀行が単純なバックエンド処理機能へと収縮される恐れも高まっていました。さらに、今日の消費者は単なる商品ではなく、より大きな価値を銀行に求めるようになっていることにも、この銀行は気付いていました。

社内的には、このイニシアチブを開始するに当たって、会社の文化を変えることから始める必要があると考えられていました。そして、このイニシアチブを進めるなかでも、貴重な教訓を学んだのです。例えば、この銀行はデジタルトランスフォーメーションを積極的に進めていると自負していましたが、実際には問題のあるレガシー環境にデジタルなフロントエンドを追加しているだけだったことを悟りました。

根本的なソリューション

この銀行が必要としていたのは、根本的なソリューションでした。顧客にとっての価値を高める一方で、総所有コスト(TCO)を下げる必要があったのです。そこで、「ハニーポット」と呼ばれるものを作るアプローチが採用されました。つまり、(経営トップからサポートされる)話題性のあるイニシアチブを立ち上げて、社内の真の変化を押し進めていくことです。

この取り組みで実現した最初のソリューションは、「データボルト」でした。安全な金庫のコンセプトを次なるデジタルレベルへと高めるものです。要するに、銀行がドキュメントを顧客向けに提供するセキュアなロケーションを作ることでした。ただし、顧客のほうからドキュメントをアップロードして、出生証明書や不動産登記書、パスポートのコピーなどを保管することもできます。

さらに、このソリューションでは、GDPR(EU 一般データ保護規則)のような規制要件へのコンプライアンスも容易にします。

立ちはだかるハードル

しかし、このイニシアチブを成功させるために克服しなければならないハードルも多数ありました。

  • 情報が社内の各所に点在する多数のリポジトリに保管されていました。
  • 過去何年にもわたってデータ品質が維持管理されていませんでした。
  • レガシーシステムのメンテナンス費用が高価で、事業価値を創出していませんでした。
  • 既存のアーキテクチャがスムーズな移行を阻んでいました。
  • これらの課題を克服するには、新しいスキルセットが必要でした。

この段階で Nuxeo が選ばれた理由

大変な作業になることは目に見えており、成功するにはヘルプが必要なことを銀行は理解していました。そこでこの銀行は Nuxeo を選びました。弊社のモダンなアーキテクチャと価格に引かれただけでなく、移行の道のりを案内するパートナーとして信頼がおけると考えたからです。

この銀行は、プロジェクトを実行するに当たって「なぜ」を問いかけてくれる客観的な目を求めていました。問題解決に秀で、実用的なデジタルスキルをもたらしてくれるパートナーを必要としていました。Nuxeo は、産業レベルの近代化を実現する専門ノウハウを持ち、オープンに共有しコラボレーションする会社だと見なされたのです。

CXのデジタルトランスフォーメーション

世界最大手クラスの銀行が Nuxeo と協力してデータボルトのイニシアチブをどのように成功させたかについて、詳細はこちらのケーススタディをご覧ください。