注記:この記事は、「コンテンツの爆発的増加への対処」に関するシリーズの3回目の投稿です。第1回の投稿では、コンテンツの爆発的増加そのものを取り上げ、第2回の投稿では、ソリューションの採用の促進について重点的に説明しました。

業種にかかわらず、顧客体験が最も重要な差別化要因となっているということは、これまでに何度も言われてきました。McKinsey、Gartner、Forresterなどの調査会社をはじめ、アナリストコミュニティは口をそろえてこのことを指摘し続けています。

これと同様に、カスタマージャーニー全体にわたって優れた顧客体験を実現するためには、機能横断的な連携が重要であることについても、耳にしたことがある人が大半でしょう。

しかし、メンバー一人ひとりがそれぞれ異なるルールに則ってプレイしているチームが、チームスポーツに勝てるわけはありません。クリエイティブからマーケティング、販売、財務、物流、サポートに至るまでの組織全体が、一貫したコンテンツにアクセスしてそれを利用できることが非常に重要です。

それにもかかわらず、既存のコンテンツを複数の部門にまたがって利用することと、コンテンツをすばやく見つけることは、コンテンツ戦略の意思決定者を悩ます、2つの大きな難題です。

これらの難題を克服するには、既存のプロセスを妨げることなく、組織内のすべてのコンテンツソースを可視化し、検索・管理できるようにして、すべての部門がすでに使い慣れたシステム、ツール、統合を使用して、これまで行ってきたプロセスを継続するとともに、組織のさまざまな場所にあるアセットにアクセスできるようにする必要がある、私たちはそう考えています。

このアドバイスが極めて急進的であることは注目に値することです。コンテンツ管理ベンダー、その中でも特に、リッチメディアアセットに焦点を絞ったデジタルアセット管理ベンダーは、自社が管理している単一システムに全アセットを移行しさえすれば、実にさまざまなメリットがもたらされるという約束を、過去20年間にわたって顧客組織に売り込んでいます。

この考え方は、Nuxeoの考え方とは大きく異なるものです。私たちは、あらゆるアセットを単一のシステムに統合する作業が、決して成功することのない「報われない努力」であるという現実を認識しています。ただし、アセットを中央システムに統合し、移行することを正当化する理由は多数あるため、統合・移行すること自体が賢明でないと言っているわけではありません。しかし、この作業が決して終わらないことは、どの大組織にも当てはまることです。なぜならば、新たに買収された部門や組織再編の結果生まれたチーム、どうしても他と足並みを合わせることを嫌うグループなどの「ニューフロンティア」が必ずおり、新しく、かつこれまでのものとは異なりすぎて、既存の中央システムでは管理できないアセットが必ず存在するからです。

そのため、テクノロジーの制約に合わせて組織の行動を調整するのではなく、組織とそれを構成する人員が実際に働く仕組みに合わせてテクノロジーを構築するほうが得策であると私たちは考えています。

とはいえ、これによってコンテンツの無法地帯が発生するわけではありません。新しいキャンペーンの情報が時期尚早に流出したり、第三者のデスクトップで見つけ未承認アセットを間違って使ってしまったりといった事態は防がなければなりません。そのため、適切なユーザが適切なアセットに適切なタイミングで確実にアクセスできるよう、充実したセキュリティ/アクセス許可システムを整備することが重要です。

コンテンツの多様性が高く、その記述方式が比較的不均一な環境には、広範囲にわたって検索を実行して、必要なものだけをすばやく絞り込むことができ、結果が返されるまでに5~10秒も待つ必要がないような、優れた検索機能が不可欠です。

「コンテンツを一元管理すれば、世界は思いのままになる」という謳い文句につられてはなりません。コンテンツの一元管理は、これまで一度も完全に成功したことがなく、御社の場合もおそらく成功するとは考えられません。大切なことは、コンテンツ管理に組織全体で取り組み、多様性を尊重することです。全員が同じ方向に向かって船を漕ぎ、優れた顧客体験を実現してこそ、勝利をつかむことができます。

本シリーズの次回の投稿では、クラウドを活用することがシステムとチームの負担をどのように軽減し、高速化と生産性の向上を同時に実現することにつながるかについてご説明します。