コンテンツサービスの構築

以前の記事でお話ししたとおり、今日の組織が直面している情報管理の課題は、真に迫った重大なものであり、レガシーテクノロジーや古い考え方では解決できません。

デジタルトランスフォーメーションへの道は曲がりくねった道ですが、その最初の一歩は必ず、組織内の情報管理ツールキットのモダナイゼーションでなければなりません。その土台を正しく築けば、その後の段階を上っていくことが可能になります。土台がしっかりしていなければ、デジタルトランスフォーメーションという建物は音を立てて崩れ落ちることになります。

今日の組織が直面している情報の課題を解決するには、モダンなソリューションが必要です。

コンテンツサービスプラットフォームの登場

コンテンツサービスプラットフォーム(CSP)は、従来のECMシステムと総じて似ていますが、細かく見てみると、ECMソリューションとは大きく異なる特徴が3つあります。

1.モダン

コンテンツサービスプラットフォームは、モバイルとクラウドが普及し始める前の今から10年前にはまだ存在しなかった、モダンな情報管理ツールキットの一部として使用する必要があります。また、スキャンしたドキュメントやWordファイルだけでなく、今日私たちが使用しているあらゆるタイプのデータとコンテンツ(ビデオ、オーディオ、ソーシャルメディアなど)をネイティブで効果的に管理できることも必要です。そして最後に、これらすべてを数十億個の項目に対して行う必要があります。要するに、CSPはビッグコンテンツの課題に正面から対処する必要があります。

2.コネクテッド

ECMソリューションは、孤島のように切り離された設計になっており、「あらゆるコンテンツを格納する一元的な場所」として売り出されましたが、すでに証明されているとおり、この目的が実際に達成されることはありませんでした。

コンテンツサービスプラットフォームは、これとは大きく異なるアプローチをとります。NuxeoなどのモダンなCSPは、データとコンテンツをローカル(独自のリポジトリ)に格納する機能を維持したまま、組織内の他の情報ソースと接続できます。この連携型コンテンツサービスアプローチでは、従来のECMシステムに格納されているコンテンツや、レガシーの会計アプリケーションに格納されているデータに、単一のプラットフォームからアクセスすることが可能です。このことは非常に重要であり、ユーザが企業内のあらゆる場所にある情報の格納と取得を単一ハブから行えるようになることを意味します。

3.パーソナライズ

CSPのモダンな側面とコネクテッドの側面は、前者がシステムの拡張性を確保し、後者がシステム間の連携を実現するという意味で、IT部門とビジネス部門にメリットをもたらすものです。最後の3つ目の要素は、表に出ない場所でもたらされているこれらのメリットを、パーソナライゼーションを通じてユーザにもたらします。

簡単に言うと、ユーザはデータとコンテンツの格納、表示、編集、対話型操作を、自分の好きな方法で行うことができます。つまり、CSPインターフェイスを使用する方法だけでなく、モバイルアプリ、生産性向上アプリ(MS Outlookなど)、LOBアプリ(Salesforceなど)、ウェブポータル、さらには、特定のビジネスタスクやビジネスプロセスを実行するカスタムアプリケーションを使用することも可能です。

このパーソナライゼーション機能によって、ユーザが情報と関わり合う際の力関係が変化しています。以前は、ユーザは情報を見つけたり対話形式で操作したりできるよう、仕事の仕方をそれに合わせて変えなければなりませんでした。今は、個々のエンドユーザの要件に合わせて、システムをカスタマイズ(それどころか、パーソナライズ)できます。これは非常にパワフルな機能です。

情報管理のモダナイゼーションがもたらすビジネス価値

モダン、コネクテッド、パーソナライズの3つのピースをつなぎ合わせると、目的適合性、拡張性、柔軟性のすべてを兼ね備えたプラットフォームが生まれ、これによって、カスタマーエクスペリエンスの向上、生産性の向上、そして収益の増加が実現します。この土台ができると、情報管理モダナイゼーション、そして最終的にはデジタルトランスフォーメーションへの旅を始めることができます。

組織は、デジタルトランスフォーメーションについて検討する際に、投資利益率(ROI)の迅速な達成と総所有コスト(TCO)の削減という、2つの主要促進要因のうちの一つを追求する傾向があります。実際、Nuxeoの委託によりBAO(By Appointment Only)が実施した調査によると、組織が新しいテクノロジーを導入する際に最も重要な検討材料となるのはTCOです。残念なことに、ROIとTCOは互いにトレードオフの関係になることが少なくありません。このことは、モダナイゼーションの場合に特に当てはまります。

デジタルトランスフォーメーションのROI

新しいシステムを導入してビジネスの課題を解決することで、ROIを迅速に達成することが可能です。また、その新しいシステムの導入の一環として、古いアプリケーションを(インベントリから)削除することによって、TCOを削減することが可能です。ただし、これは、最終的に失敗に終わる総入れ替えモデルのことです。
このモデルが失敗に終わる理由については、私の同僚のJeannette Shermanが寄稿した記事「『総入れ替え』が失敗する理由とは?」で説明されているとおりです。

総入れ替えに代わるこれからのアプローチ:インテリジェントな情報管理

総入れ替えモデルを必要とせずに、ROIとTCOの両方を実現できるシンプルなアプローチがあります。Nuxeoのアプローチは、接続・統合戦略に基づいて情報管理システムを管理することによって、コンテンツサービスプラットフォームでレガシーアプリケーションをモダナイズすることに重点を置いています。このことについては、本シリーズの次回の記事で取り上げるとともに、10月11日に開催予定のウェビナー「モダナイゼーションによってROIを高める方法」でもご説明します。

この接続・統合手法による情報モダナイゼーションにより、ROI実現の迅速化と長期に及ぶTCOの削減が同時に可能になり、デジタルトランスフォーメーションの取り組みをさらに進展させるための基盤が形成されます。情報がいたるところに存在し、業務や取引のためのあらゆる機能が情報に依存しているデジタルの世界では、トランスフォーメーションの取り組みを先延ばしにしている余裕などありません。