コンテンツサービスプラットフォームに関するGartnerマジッククアドラント(2018年)について個人的に素晴らしいと思うのは、コンテンツサービスとデジタルビジネストランスフォーメーション間の緊密な関連性を指摘している点です。

進化を続けるコンテンツサービスプラットフォーム製品は、デジタルビジネストランスフォーメーションのための新たな機会を創出しています。

Nuxeoは、コンテンツとモダンなコンテンツサービスプラットフォーム(CSP)がデジタルトランスフォーメーションに不可欠な存在であると考えます。また、デジタルトランスフォーメーションが1回きりのイベントではなく、継続的なプロセスであるとも考えています。私たちを取り巻く世界は急速に進化し、ますますデジタル化しており、それに伴いお客様の期待事項も絶えず変化し、新たな競争圧力が毎日のように生まれています。こうした中、持続可能な競争優位性をお客様が達成できるようにすること、それこそがデジタルトランスフォーメーションです。

そのためNuxeoは、お客様が市場情勢の変化に迅速に対応し、これまでと全く異なる新しいデジタルビジネスモデルを発展させて、売上を増加させると同時に、業務効率を新たなレベルに引き上げ、コスト削減を達成できるようにすることを目標に掲げています。

ここでは、モダンなコンテンツサービスプラットフォームによってもたらされる主なメリットのうち、今日のデジタルビジネスに欠かすことのできないもの5つについて説明します。

1.新しいデジタルコンテンツタイプとチャネルをサポート

デジタルコンテンツ

「コンテンツ」という言葉に難を感じている人は少なくありません。もしかすると、「コンテンツ」や「エンタープライズコンテンツ管理」といった言葉を過剰に使ったマーケティングの成功のツケが回ってきているのかもしれません。コンテンツやコンテンツ管理と聞いたときに、多くの人が思い浮かべるのは、電子文書やスキャン画像の収集であり、中には、コンプライアンスやアーカイブのためだけに保管されている、もはや使われなくなった情報を想像する人もいるかもしれません。ところが実際には、今日の企業が「コンテンツマーケティング」戦略に投じている費用は何百万ドルにも及び、デジタル世界で顧客を効果的に惹きつけ、その要求を満たすための新しいコンテンツが絶え間なく生み出されています。「コンテンツ」が、その形式を問わず、モダンなビジネスのニーズを満たすうえで今まで以上に重要な存在になっているということは、純然たる事実です。

Nuxeoのお客様からの指摘にあるとおり、企業や組織にとって、顧客との対話や業務プロセスにおいて新しい形式のコンテンツ(動画や写真など)が果たす役割は、ますます重要になっています。また、ARやVRなどの新しいコンテンツタイプも勢いを強めつつあります。さらに、これらのコンテンツ用の新しいチャネルが一夜にして突然姿を現し、今日登場したばかりの最新のアプリケーションやサービスが瞬く間に過去のニュースになっていることも注目すべき傾向です。それゆえに、モダンなコンテンツサービスプラットフォームの機能は、従来のエンタープライズコンテンツ管理(ECM)ソリューションよりも充実しており、より幅広いコンテンツチャネルとタイプに基づいています。また、新しいコンテンツタイプに固有の要件にも対応するよう設計されているため、たとえば、非常に大容量のファイルを転送したり、さまざまな配信チャネル用に新しいコンテンツエディションを自動的に生成したりすることが可能です。さらに、レガシーのECMソリューションが製品スイートであるのに対し、モダンなコンテンツサービスプラットフォームは、他のプラットフォームやアプリケーションと容易に統合できる設計になっているため、最も必要とされる場所にコンテンツを配信することができます。

2.より魅力的なカスタマーエクスペリエンスの実現

ますますデジタル化する世界では、卓越したカスタマーエクスペリエンスこそが、持続可能な競争優位性を実現する数少ない鍵の一つです。前述のとおり、今日のモダンな企業において、コンテンツは非常に重要な役割を果たすようになっており、カスタマーエクスペリエンスにも欠かせない存在です。今日、顧客との対話の多くはコンテンツで始まり、コンテンツで終わります。また、顧客向けコンテンツを提供する際にシームレスなエクスペリエンスを実現すること、おそらくそれよりもさらに重要なこととして、これらの情報を複数の異なるチャネルおよび顧客エンゲージメントポイントで活用することは、多くの組織に困難な課題を突きつけています。

魅力的なカスタマーエクスペリエンス

このことは、「システムが多すぎて、ソリューションがない」状態の派生的な影響であるとも言えます。つまり、お客様の多くは、種類の異なるコンテンツ管理システムを数多く導入しているにもかかわらず、その結果得られたのは、カスタマーエクスペリエンスを分断するサイロ化された環境にすぎず、このことは、顧客情報を一元的に把握することを難しくする原因となっています。

皆さんの組織の環境を考えてみてください。レガシーのECMシステムが(2つ以上とは言わないまでも)少なくとも1つは運用されているのではないでしょうか。また、Microsoft SharePointとOneDrive、あるいはBox、Dropbox、Google Driveなどのファイル同期/共有ソリューションも使用していることでしょう。さらに、重要な顧客向けコンテンツがCRMソリューションやカスタマーサポートプラットフォームに置かれている可能性も大です。

このように、顧客とエンゲージメントを築くのに欠かせないコンテンツが組織全体に散在している状態では、首尾一貫したカスタマーエクスペリエンスを提供することはほぼ不可能です。これらすべての情報を単一のリポジトリに移動する、レガシーのECMアプローチでは、ビジネスの複雑性やユーザのニーズは完全に無視されていました。それに対し、さまざまなコンテンツソースに接続する、モダンなコンテンツサービスアプローチでは、大規模な移行に伴うコストやリスクを生じさせずに、情報を一元的に把握することが可能となります。

3.インテリジェントなビジネスインサイトを提供

デジタルトランスフォーメーションの原動力となっているのは、データと分析です。企業が顧客の要求を満たす新製品や新サービスを特定できるのは、データ(および分析)のおかげです。顧客がデジタルエコノミーの中で変革し、繁栄するための新しいビジネスモデルを発見できるのも、データがあってこそです。

ところが、非構造化コンテンツの形式で格納されている情報の割合が(最新の調査結果によると)全体の最大で80%に達しているという問題があります。非構造化コンテンツの何が問題かというと、構造化されていないために行や列に整然と収まらず、簡単に分解して分析できないことです。その結果、ほとんどの企業は自社で保有している情報の価値を把握したり、組織内で保存している膨大な量の文書やその他のコンテンツの中から重要なビジネス情報を特定したりするのに苦慮しています。

人工知能

そのためNuxeoでは、コンテンツの本質を見抜く優れた知見や充実した情報をお客様に提供することが肝要であるととらえ、そのために不可欠な役割を果たすのが人工知能(AI)や機械学習などのテクノロジーであると考えています。コンテンツ管理は情報革命の時代を迎えています。想像してみてください。コンテンツ管理ソリューションによって、コンテンツをインテリジェントに管理することが実際に可能になるのです。ここでもまた先頭を行くのは、モダンなコンテンツサービスソリューションです。コンテンツサービスプラットフォームは、他のクラウドサービスに接続できるよう設計されており、Google VisionAmazon Rekognitionなどの先進的な機械学習エンジンを利用して、非構造化コンテンツの価値を構造化データで高めます。OCRや画像の「タグ付け」のはるか先を行く、Nuxeo Platformなどの主要ソリューションでは、メタデータを抽出し、大量のレガシーコンテンツのインデックスを再作成できるだけでなく、カスタムのAIモデルもサポートできます。そのためお客様は、ビジネスの原動力となる、より目的に適った価値の高いデータが提供されるよう、既存のデータセットでソリューションをトレーニングすることができます。

AIおよび機械学習に対するNuxeo独自のビジョンについては、次回のブログ記事で詳しくご説明する予定ですが、Nuxeoのスタンスとしてこれだけ申し上げておきます。AIとMLは新たなインサイトと自動化をビジネスにもたらすものであり、これによってお客様は、コンテンツに閉じ込められた情報をこれまでにない画期的な方法で利用できるようになります。また、AIとMLをモダンなCSPと組み合わせることで、自動化を新しいレベルまで引き上げ、従業員や顧客に情報を提供する方法について新たな知見を得ることが可能になります。コンテンツサービスは今まさに素晴らしい時期を迎えています。

4.効率化とコスト削減によってデジタルトランスフォーメーションの資金を捻出

ECMの隠れたコスト

デジタルトランスフォーメーションとデジタルビジネスにおいて、テクノロジーは重要な役割を果たします。ところが、多くのIT組織は、既存のテクノロジー投資が重荷になっており、専門的なスキルと高価なハードウェアがなければサポートできない、古くなったレガシーシステムの点検・保守のためだけに予算とリソースの大部分を費やしています。その結果、ビジネス目標をサポートする目的で投資したテクノロジーが、実際には足かせとなり、イノベーションと新規事業イニシアチブのための資金を調達することが困難になっています。このことは、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを大きく妨げ、デジタル市場における企業の競争力を低下させる原因となりかねません。

簡潔に言うと、モダンなコンテンツプラットフォームとは、レガシーテクノロジーを大幅に上回るコスト削減を可能にするものであり、そのおかげで企業は、より多くのIT予算をイノベーションとトランスフォーメーションに投資できるようになります。レガシーECMテクノロジーに対する投資(およびそのコスト)を嘆かわしいほどに軽く見すぎている企業が大半です。Nuxeo Platformのようなモダンなソリューションは、デジタルビジネス向けの斬新な機能をもたらすのはもちろん、所有と運用の費用対効果もレガシーシステムに大きく勝ります。氷山の一角にとらわれることなく、レガシーコンテンツ管理システムの隠れたコストを真に理解するには、またNuxeoがコンテンツインフラストラクチャのモダナイゼーションをどのようにお手伝いできるかについては、リンクをクリックしてご確認ください。

5.変化に対する組織の俊敏性と即応性を向上

最後に、デジタルエコノミーの中で競争するには、変化に対する俊敏性と即応性が必要です。新製品や新サービスをいかに迅速に市場に投入できるかによって、その成否が決まることは少なくありません。カスタマーエクスペリエンスの改善は迅速かつ継続的に行わなければなりません。そうでないと、既存の競合他社や市場に進出しようとしている新興の専門ベンダに遅れをとる可能性があります。また、ビジネスの基盤となるプラットフォームは、新しいビジネスモデルや仕事のやり方に適応できなければなりません。

コンテンツ製品のスイートを中心に構築されたレガシーのECMシステムとは異なり、モダンなコンテンツサービスプラットフォームは、新しいコンテンツ中心型ソリューションを迅速に構築し、すばやく反復できるよう根底から設計されています。モダンなCSPは、アジャイルアプリケーション開発用のローコード環境です。Nuxeoのお客様は、これまでにNuxeo Platform上で実に幅広いソリューションを開発しています。

結論を言えば、既存のECMシステムが柔軟でない、または新規アプリケーション/サービスの導入が困難かつ高コストである場合は、よりモダンなソリューション、つまりコンテンツサービスプラットフォームを検討すべきです。変化は絶えず起きており、競争のペースは加速の一途をたどっています。既存のシステムに足を引っ張られないようにすることが大切です。

###Nuxeoのコンテンツサービスアプローチ
Nuxeoのソリューションは、コンテンツサービス市場で真に唯一無二の存在です。Nuxeoのオープンソースプラットフォームの最初のバージョンは2008年にリリースされました。それ以来、レガシーコードベースに縛られることなく、イノベーションと最新技術の組み込みに取り組み続けた結果、業界最高レベルのモダンなアーキテクチャを生み出し、ビジネスを変革したいと考えているお客様企業に固有のニーズを満たすよう設計された、本質的に柔軟性と拡張性の高いソリューションを提供しています。また、Nuxeoはコンテンツサービス専業ベンダとして、この市場にのみフォーカスし、業界最先端のプラットフォームを常に提供できるよう尽力しています。

Gartnerによって「概念先行型」に2年連続で選出されたことは、Nuxeoにとって大変喜ばしいことです。Gartnerのレポート全文を読んで、詳細をぜひご確認ください。お客様と協力してお客様の組織をモダナイズし、ビジネスにデジタルトランスフォーメーションをもたらす機会に恵まれることを心待ちにしています。


Gartnerは、リサーチ刊行物に掲載された特定のベンダ、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティングまたはその他の評価を得たベンダのみを選択するように助言するものではありません。Gartnerリサーチの発行物は、Gartnerリサーチの見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。Gartnerは、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の保証を行うものではありません。


Gartner [コンテンツサービスプラットフォームのGartnerマジッククアドラント(2018年)]、[Karen Hobert、Michael、Woodbridge、Monica Basso]、[2018年10月25日]