DAMソリューションに投資する企業のねらいは、重複した作業を減らして、コンテンツサプライチェーンを効率化し、最終的に収益を増加させることにあります。
ただし、これらの企業が得ているものは、必ずしもこの目標に達していません。
購入時に意図していた通りに DAMソリューションが利用されていない と感じている企業の割合は、88パーセントに達しています。これは、全体のわずか8分の1の企業しか期待したメリットを得ていないことを意味します。なぜでしょうか?
DAMの実装を阻害する最たる要因は、ユーザの受け入れの問題です。91パーセントの企業が、新しいDAMソリューションを実装する際の最大の課題は、ユーザに新システムを受け入れさせることであると答えています。
この理由はいたってシンプルです。大抵の人は変化を嫌うからです。DAMシステムが新しくなると、社員は新しいシステムとワークフローを習得しなければならず、必要な変化に適応する意欲や能力がないというのが多くのユーザの現状です。
また、変化を嫌うこれらの社員よりも、さらに広く見受けられるのが、これまでの数か月間または数年間にわたって巧妙に乗り切ってきたプロセスが、まだ試したことのない新しいシステムのために解体されているような気持ちになり、これを嫌う社員です。社員は、日々の業務を犠牲にしてシステムオブレコードに時間を費やすあまり、自分たちに課せられた中心的な任務を全うできなくなっていると感じ始めます。さらに、変化が自分たちの仕事を容易化するためではなく、経営陣の利益のためのものであると感じ始めると、社員の間で経営陣に対する怒りの気持ちがつのります。
その結果、ユーザによる受け入れが進まず、DAMの実装が停滞(または完全に失敗)するという、多くの企業が直面している事態に陥ります。新しいシステムを使用するチームと、それを回避するために独自の方法を見出すチームに分かれ、コンテンツサイロが再び出現します。このように、ユーザによる受け入れが進まないと、多くのDAMソリューションで真の投資利益を得ることができなくなります。
デジタルアセット管理の実装がうまくいかなかった経験のある企業は決して少なくありません。DAMが使い始められて間もない頃は、ユーザの受け入れをめぐる対立を巻き起こす混乱状態でした。初期のデジタルアセット管理ソフトウェアのほとんどは、全コンテンツを中央リポジトリに配置することに重点を置いていたため、ユーザはそれまでとは違う方法でアセットを検索してアクセスしなければなりませんでした。ところが、コンテンツに対する考え方がすべての部門で同じであるとは限らず、各チームがそれぞれ自分たちに合ったプロセスの開発に取り組み始めます。各チームが新しいシステム内で(またはそれを回避するために)古いプロセスやショートカットを使い続けると、期待したメリットを得ることはできません。そのため、チーム内で反感 やいらだちが生まれ、打ち込みがいのある価値の高い作業ではなく、新しいソフトウェアの世話に自分の時間をとられているような気持ちがユーザの間に広がり始めます。
新しいDAMシステムにユーザを慣れさせるオンボーディングプロセスを億劫に感じる必要はありません。大事なのは、全チームに対してアセットを可視化し、直感的でわかりやすい方法でどの部門からもあらゆるアセットを把握できる機能を備えたDAMソフトウェアを選択することです。
最新のDAMソリューションでは、社員が古いワークフロー(直感的なプロセス) をそのまま使い続けられるだけでなく、複数の部門/オフィス/システムにわたってデジタルアセットに迅速にアクセスできることによる効率化のメリットも得ることができます。
ユーザのDAM受け入れを確実に高める最も効果的な方法は、ソリューションに関する適切な質問を購入前にしておくことです。組織に適したソリューションを選択するうえで役立つヒントについては、「DAMバリュートラップを避ける: DAMベンダがあなたに質問してほしくない10の重要な質問」をご覧ください。