米国では 2019 年は非常に重要な年です。ミレニアル世代(ジェネレーション Y)がついにベビーブーマー世代を超えて、米国最大の人口層になると予想されています。ところが、グローバルに見れば、ミレニアル世代は 26 年前にベビーブーマー世代を超え、その 2 年後には世界最大の人口層になっていたことをご存じでしたか。とはいえ、米国にその転換点がやって来たことで、この消費者層を引き付け、引き留めようとする企業が応えなければならない期待、そして克服しなければならない課題が様変わりするポイントと見ることができるかもしれません。では、ミレニアル世代とは、どのような世代なのでしょうか。定義はいくつかありますが、1981 年から 1997 年ぐらいに生まれた人たちを指し、現在 23 歳から 39 歳前後です。米国のこの層の人口は、外国からの移民の影響もあるため、2036 年までにピークに達し、7,600 万人から 8,000 万人ぐらいになるものと予想されています。グローバルには、すでに 18 億人に達していて、世界人口の 4 分の 1 を占めています。

現実には、この人口構成の変化は、今日の企業にとってニュースではありません。ほとんどの企業が、しばらく前からこの日のために備えようとしてきました。何年も前からビジネスモデルを変化させ、新しい商品やサービスを開発して、この世代のユニークなニーズを満たそうとしてきました。そのほとんどが不成功に終わりましたが、その過程で学んだことがありました。ミレニアル世代がおしなべて抱いている期待値があるように見えるということです。

企業が認識して自社の事業に反映させていくべきミレニアル世代の特徴は 6 つあります。

  • 便利 ― すばやく手に入れたい。今すぐ手に入れたい。
  • 選択 ― 選択肢がほしい。コントロールするのは自分だと感じたい。
  • 体験 ― ほしいのは「体験」であって、「モノ」ではない。
  • コスト効果 ― お金の価値を知っていて、最もお得なものを探す。
  • 利他主義 ― 大きな目的を掲げている企業を選びたい。
  • 認識 ― 企業やブランドへの忠誠を認められ、見返りを受けたい。

これらの特徴を総合すると、期待値が非常に高い一方、期待が満たされなかった場合の寛容度は非常に低い世代だと言うことができます。そして、ひとつ明らかなのは、この世代が何であれデジタルなものを好むことです。この点は、金融サービスにとってきわめて重要です。実際、The Financial Brand の調べによると、この世代の 85%が、人工知能(AI)を活用することで自分のマネー管理を向上させられると考えていました。また、66%が、デジタル化された予算管理ツールを銀行に提供してほしいと考えていました。保険に関しては、ミレニアル世代は他の世代に比べてオンラインで保険を購入する可能性が 2 倍高いと、Gallup が報告しています。その一方で、自分の望むオンラインサービスを保険会社が提供していると回答した割合は、わずか 40%でした。

デジタルネイティブ

ジェネレーション Y の期待に応えようとする金融サービス業界の企業は、デジタルトランスフォーメーションに真剣に取り組み、ビジネスのルールを抜本的に変えなければなりません。もっと簡単に利用できる会社になる必要があります。オンラインでリアルタイムにいつでも商品とサービスを提供する必要があります。商品や価格よりも顧客体験のほうがはるかに重要であることを学ばなければなりません。

金融サービスのデジタルトランスフォーメーション

ミレニアル世代は、顧客として獲得するのが難しく、失うのは容易であることを忘れてはなりません。そのうえ、競合は常にクリック 1 回、タップ 1 回の距離に控えています。最初から合格点を取ることが今まで以上に重要な時代はありません。

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