グローバル・バンキングを襲った変化だけでも十分に混乱を招く状況ですが、それに輪をかけて「ネオバンク」の台頭がささやかれています。この新手の競合は、完全にデジタルという組織形態を取っていて、従来の銀行のように事業許可を取得する必要もなければ、規制コンプライアンスの重荷も抱えていません。実店舗を持たず、すばやく簡単に使えるサービス、しかも高度にパーソナライズされたサービスを、モバイルデバイス限定で提供しています。

ネオバンク

ネオバンクが急成長して成功を収めている理由は、低コストの構造に加え、競争を刺激し消費者の選択肢を増やすことを目的とした規制環境にあります。ただし、ネオバンクは、すべての人にすべてのサービスを提供しようとしているわけではありません。そのほとんどは、普通預金、当座預金、一部の個人融資など、限られた商品のみを提供していて、クレジットカードや住宅ローンのようなサービスには触手を伸ばしていません。この結果、課される規制が少なく、固定経費も抑えられるため、それを安価な手数料として利用者に還元できるのです。

ネオバンクの敏捷性とスピードは、レガシー技術の負担がないことに起因しているとされています。つまり、真にデジタルネイティブなのです。今日のほとんどの銀行が、従来の画一的なバンキングアプリケーションの上にデジタルのフロントエンドを付け加えているのとは対照的です。

ネオバンクは、レガシー技術の「いかり」に縛られていません。このため、伝統的なインフラを軽々と飛び越えて、現状を打破できるのです。
– KPMG Internationalのグローバル・バンキング&資本市場責任者、Judd Caplain氏

ミレニアル世代のバンキング

ネオバンクは、変化への受容性が高いミレニアル世代をターゲットとしています。毎年強まるジェネレーションYの影響力により、銀行業界の商品やサービスが様変わりしていますが、この変化こそが、ネオバンクが賭ける未来の底辺にあります。

人口構成の変化によって引き起こされるディスラプションには、従来の銀行も気付いています。これにより従来の銀行は、システムとインフラを近代化し、顧客価値を創造するための新しい方法を見つけなければなりません。

ありがたいことに、従来の銀行にはネオバンクよりも優れた点がいくつかあります。

  • ブランドが確立していて、よく認知されている
  • 顧客との長く確立した関係がある
  • 膨大なコンテンツと顧客データを有している
  • 顧客の貯蓄と消費の動向についての深い洞察がある

これらの要因を背景に、従来の銀行は、スタート時点から優位な立場にありました。しかし、その競争力を維持し拡大するには、次のことを学ばなければなりません。

  • デジタルの競合よりも大きな顧客価値を創造する
  • マインドセットを切り替えて、「取引」ではなく「体験」を提供する文化を醸成する
  • 単に商品を売るのではなく、人生の財務をお手伝いすることを重視する

世界のトップ15銀行の一社が、Nuxeoと提携して顧客価値を拡大しています。その事例を解説した白書『[Defusing the Ticking Time Bomb of Legacy Data: A 21st Century Success Story](レガシーデータの時限爆弾を止める:21世紀の成功物語)』をダウンロードしてご覧ください。(/assets/documents/defusing-data-bomb-en.pdf)