21世紀に入り、デジタルアセットの作成と公開をめぐる新たな課題が生まれており、その最たるものの一つがコンテンツの細分化と再利用です。

Gartnerは2018年版の「デジタルアセット管理(DAM)のマーケットガイド」の中で、「リアルタイムのパーソナライゼーションを複数チャネルで大規模に遂行すること」[1]を、変化するテクノロジー環境においてアセット管理に取り組む組織にとっての重要な課題であると指摘しています。

Nuxeoは、お客様のコンテンツファクトリを強化することによって、お客様が新しいチャネルに販路を広げ、アセットの作成規模を拡大できるよう支援しています。Nuxeoの高度なDAM機能では、大規模なパーソナライゼーションが自動化されるため、お客様はコンテンツを今まで想像したこともないレベルまで引き上げることができます。

コンテンツの作成が、少数の基本的なチャネルやアクティブなブランドアセットを使ったシンプルな作業であった時代は終わりました。今や最大規模の企業でさえも、一人ひとりの顧客のニーズやアイデンティティに直接うったえるコンテンツを駆使して、個人向けにカスタマイズしたいと考えています。

コカコーラのネームボトル

コンテンツがどのような変化を遂げているかを示す一つの例は、スーパーマーケットの炭酸飲料売り場で見られます。コカコーラの「ネームボトル」キャンペーンは、2011年に同社の某経営幹部が、象徴的な赤色のコカコーラの缶に自分の名前を刻むというアイデアを思い付いたことがきっかけで始まりました。「ネームボトル」キャンペーンは、オーストラリアから始まって世界70か国に広がり、大成功を収めました。

当然のことながらこのキャンペーンでは、他の企業の常識を大きく上回る規模で缶のデザイン数を増やすことが必要となりました。150人の名前を示すリストから開始し、時には顧客の投票結果を反映させた新しいリストを定期的に作成することになりました。このことは、皆さんの周りのスーパーマーケットに「ネームボトル」缶が絶えず陳列されていたことからもおわかりいただけることでしょう。

パーソナライゼーションの見返り

しかし、今日の多くの企業にとって、このような大規模のパーソナライゼーションを行うことは想像の域を超えており、これほど膨大なデザインニーズを満たすには、必要となる人員数、承認の回数、そして予算が多すぎて対応できません。その結果、優れたカスタマーエクスペリエンスとブランディング機会を生み出す可能性のあるパーソナライゼーションイニシアチブはスタートさえせず断念されました。

マルチチャネル展開のための拡張

また、パーソナライゼーションの重点をチャネルの拡大にのみ置いている企業もいます。Nuxeoのお客様である消費財(CPG)セクターの某メーカーは、eコマースチャネルに販路を拡大したときに、コンテンツ作成ニーズが急増したことに気付きました。このグローバル企業は、材料、商品サイズ、パッケージデザインなどの変更をはじめ、毎年合計約2,000件の変更を商品に加えていました。その中には、一つの地域や国にしか影響しない変更もあれば、複数の地域に影響する変更もあります。

各eコマースベンダーからは、特定のアセットを特定の形式で作成することを要求されており、要件はどれも異なるものばかりでした。eコマースチャネルを拡大することは、それまで何年間も困難または不可能なことと考えられていました。材料リストに一つでも変更が加えられたリ、栄養成分の規制要件が新たに加えられたリしただけでも、数百ものデジタルアセットを更新しなければならず、新しいeコマースチャネルが追加されるたびに、この問題はさらに複雑化しました。

ところが、同社の製品情報管理(PIM)システムと完全に統合するNuxeoを実装した後は、商品に変更を加えると、eコマースアセットの合理化された変更が自動的にトリガーされるようになりました。変更はeコマースプラットフォームに自動的に送られるため、常に最新の商品情報が顧客に提供されます。これによって、より多くの商品をeコマースプラットフォームで提供できるようになり、顧客側の時間の節約につながっただけでなく、さらなる商品情報をeコマースプラットフォームに追加することが可能になりました。

また、古くなった情報を含むアセットには、レビューと更新が必要であることを示すフラグを付けることもできます。特定のアセットを検索しているユーザには最新バージョンのアセットが表示され、旧バージョンのアセットには最新バージョンではないことが一目でわかるマークが付けられます。比較ツールを使用すると、バージョン変更を簡単に特定することができ、新しいバージョンが作成されたときに、メタデータを最新バージョンに簡単にコピーすることもできます。

Nuxeoでは、ワークフローの管理もネイティブに行われるため、クリエイティブ部門や法務部門からの承認を迅速かつ容易に得ることが可能です。

モダンなソリューションの必要性

DAMの歴史は印刷技術の歴史に似ています。手書きで複写することが書物を複製する唯一の方法であった時代、各写本は希少で価値が高く、筆写者による何か月あるいは何年もの作業の成果を表していました。たとえ数冊でも書物を所有することは富の証であり、本棚いっぱいの書物を手に入れることができるのは、ごく一部の富裕層に限られていました。

ヨハネス・グーテンベルクによって発明されたものをはじめとした単純な印刷機は、印刷プロセスそのものを変革しただけでなく、書物の作成にかかるコストと時間を桁違いに削減することによって、作成されるコンテンツのタイプも根底から変えました。その後、デジタル印刷が発明され、製本などのプロセスが機械で自動化されたことによって、廉価版の小型ペーパーバックが至る所に見られるようになり、100年前にはほとんど存在しなかった市場の隙間を埋める新しいジャンルが登場し、大きく成長しました。今日、電子ブックリーダーは、図書館全体に相当する数の書籍を、薄い本のサイズのデバイスに保存して読むことを可能にしているほか、セルフパブリッシングという新しい業界も生み出しています。

デジタルアセットを取り扱う旧式の手動プロセス、つまり、製品の変更内容をメールで送って、変更後のアセットをリクエストし、アセットが個別に作成されて、承認者にメールで送られるというプロセスは、中世の筆写者が写本を筆写するときと似た拡張性の問題をはらんでいます。コンテンツの作成、承認、展開をすべて手動で行っている企業のデジタルアセットライブラリは、中世の筆写者の書庫と同様に、小規模で体系化されておらず、検索が困難なことが多々あります。

基本的なDAMソリューションは、アセットを格納し、アセットを容易に再利用できるようにするものであり、新しいコンテンツの開発を促進するという点で、グーテンベルクが発明した印刷機とよく似ています。一方、Nuxeo Platformのような高度なDAM製品は、コンテンツファクトリを大規模に強化する可能性を秘めています。

Nuxeo Platformを使用した大規模なパーソナライゼーション

パーソナライゼーションとデジタルアセット

Nuxeoを使用すると、アセットを個別のコンポーネントに細分化した後、クリエイティブ部門の承認を得るために自動的に再統合して送信できます。バリエーションの多い複雑なパーソナライゼーションによって、今まで以上に精密にコンテンツのターゲットを定める必要がある場合は、高度なデジタルアセット管理機能を使用することで、「ネームボトル」に150の名前を刻むレベルのパーソナライゼーションを行っても、コンテンツ作成コストを150倍に増やす必要はなく、それよりもはるかに低くコストを抑えることさえ可能となります。バリエーションが2つであるか1万であるかにかかわらず、コストは事実上同じということです。

チャネルパートナーと社内部門がクリエイティブリソースの使用を最小限に抑えて、ランディングページやサイネージなどのカスタマイズされたマーケティング資料をオンデマンドでオーダーできるようにするにはどうすべきでしょうか。このような「セルフサービス形式のマーケティング・フルフィルメント」は、Gartnerいわく、高度なDAM製品に不可欠な機能であり、もちろんNuxeo Platformにも装備されています。

Nuxep Platformではさらに、タグ付けとメタデータ作成がAIで自動化され、超高速の検索機能とブラウズ機能、そしてプレビュー機能が完備されているため、グーテンベルク(または、時代遅れの基本的なDAM機能しかいまだに使用していない組織)には想像さえできなかったであろう、複雑で体系化された相互接続ライブラリを利用できるようになります。

Nuxeoでデジタルアセットの価値を最大限に引き出す方法は、これ以外にも多数あります。コンテンツの作成、パーソナライゼーション、展開をNuxeoで拡張する方法について、弊社までお問い合わせください。

[1]: Gartner「Market Guide for Digital Asset Management」(Bryan Yeager著、2018年6月4日)


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