Nuxeoが業界トップの金融機関の主要スタッフをインタビューしたところ、情報をすばやく検索して見つけられないことが、ビジネス面の最大の課題として指摘されました。

金融業界をリードする組織によると、組織の情報は、互いに連結していない部門やアプリケーションに散在しており、このことは、ユーザが業務を遂行するために必要となる最新の情報をすばやく見つけてアクセスすることを極めて困難にする原因となっています。このように分断した環境の救済策として講じられている措置が、実際には、サイロ化された情報そのものよりも大きな問題の原因となっていることをご存知ですか?

今こそ、「総入れ替え」アプローチについて考え直すときです。

総入れ替え

「旧態依然」とした状態は何十年も続いていました。つまり、分断化されて組織内に散在している情報サイロのために、適切な情報が適切な人員の手元に適切なタイミングで届くことが阻まれている状態です。このことは、セールスおよび製品開発サイクル時間、顧客エクスペリエンス、さらには組織内部の社員の士気に悪影響を及ぼしていました。

そこに登場したのが、それまでとは異なる方法で情報を利用する新興企業、いわゆる創造的破壊者です。これらの新興企業は、典型的な競合企業として市場に参入するのではなく、それまでの方法が高コストで時代遅れ、かつ柔軟性に欠けたものであることに気付かせるような斬新な考え方で、既存の業界を一新しました(ある意味で、Nuxeoの先進的なCSPアプローチと従来のECMアプローチの関係に似ています)。そして今日、昨日まで創造的破壊者と呼ばれていた新興企業は、巨大テクノロジー企業になるまで成長し、従来型企業は遅れをとらないようついていくのに躍起になっています。

イノベーションが急速に進む中、社員がより高度で価値の高い業務に従事する代わりに、データの検索に大量の時間を費やすことを容認できるような余裕は、今日の企業にはありません。トップの座に君臨している企業は、創造的破壊をもたらす可能性のある新興企業からの追い上げ圧力を感じ始めると、それまで採用してきたシステム(つまり互いに連携していないシステム)をすべて取り壊して、単一の中央リポジトリに統合したいという衝動にかられがちです。

##総入れ替え = 高コスト

情報サイロが大きな頭痛の種であり、直接的および間接的コストの原因になっていることは確かです。しかし、総入れ替え方式のITプロジェクトには、ビジネスの観点から必ずしも理にかなっているとはいいがたい、高額な実装コストが必要となることが多々あります。

情報サイロを完全に取り壊すことは、決して終わることのない仕事のように見え始めます。サイロを取り壊したと思った途端に、情報が格納されている別の場所が見つかり、この終わりのない状況から抜け出せなくなります。Nuxeoの導入組織からの報告によれば、組織内のすべての情報を見つけて、それをアクセスおよび配布が可能な中央リポジトリに移動する作業は困難を極めるため、過去に行った総入れ替え方式の試みには、当初の見積りを2倍または3倍上回る時間がかかったといいます。

##総入れ替え = 低い採用率

情報のアクセス性と安全性を高めることを約束しているプロジェクトに莫大な量の時間と資金を投入した企業が、ふたを開けてみれば新しいシステムが十分に活用されていないことに気付き、システムの全社的な採用をなかなか実現できずにいることは決してめずらしくありません。

企業によっては、自分たちが抱えるニーズを満たしていない一元型システムを受け入れようとしない、「抵抗勢力」的な部門が存在する可能性もあります。このように見えない場所で格納されている少量の孤立した情報が「シャドーサイロ」に徐々に発展すると、単一のコンテンツリポジトリを使った画一的なアプローチの欠点をさらに露呈しかねません。結局は、情報要求を満たすことの困難さが総入れ替えプロジェクトの前と変わらなくなり、企業の幹部とエンドユーザの双方が不満を募らせる原因となります。

##総入れ替えが効果的でない理由

総入れ替えのような極端な変革に飛びつく企業が見落としがちなことが一つあります。それは、組織内の各部門がどのようなアプリケーションとワークフローを使用したいかについて強いこだわりを持っているということです。総入れ替えに伴って導入される暫定的なワークフローは特異で、場合によっては非効率なこともありますが、少なくとも当初は、シンプルで簡単であるという理由で受け入れられます。

社員は時間が経つにつれ、一日の仕事の流れや仕事の仕方、時間配分の方法が総入れ替え方式のプロジェクトによって根本的に変わってしまったと感じるようになります。こうした変化は好意的に受け止められないものである場合が多く、社員は新しいシステムを使うよう命じられることに不満を感じます(テクノロジーの切り替えを進めている時期には、前回のシステムを習得した後間もなく新しいシステムの採用を命じられることも少なくありません)。

以前は満足度も生産性も高かった社員が、技術的な問題でがんじがらめになっていると感じ始めると、悪い意味での創造力を働かせて、情報管理システムの許容範囲を超えた、柔軟な回避策(いわゆる「シャドーIT」)を採用し始めます。

##総入れ替えに代わるアプローチ

このように総入れ替えプロジェクトには高額な実装コストと低い採用率の問題がつきものであることがわかっているにもかかわらず、いまだに繰り返し行われているのはなぜでしょうか?

それは、情報管理のベンダー決定権を握る人たちが、現状を打破する唯一の措置は、情報管理を完全に一元化することであると信じているからです。

真の意味で先進的なコンテンツサービスと情報プラットフォームがあれば、中央リポジトリモデルで社員を縛り付ける必要はありません。Nuxeoのような先進的なプラットフォームでは、社員はそれまで使ってきた既存のアプリケーションと情報ストレージシステムを使い続けたまま、一元管理されていないシステムからの情報を連携させることが可能です。

情報を組織全体で可視化することが重要であることは確かですが、モダナイゼーションの取り組みによって、今までうまく機能していたものを捨て去ったり、やる気はあるが変化に対して及び腰な部門に疎外感を感じさせたりする必要はありません。

今日の企業幹部は、バランスのとれたアプローチの採用を検討すべきです。つまり、現行の情報格納・アクセス方法に適合しているが、将来のテクノロジーとの互換性と拡張性を確保するのに十分な柔軟性と先見性も備えたソリューションを採用することが重要です。

創造的破壊者が競争相手として登場したからといって、自分たちのビジネスを根本から取り壊さなければならないわけではありません。巨大テクノロジー企業の一歩先をいくうえでNuxeoがどのように役立つかについての関連資料をご覧ください。また、カスタムデモのご予定は、Nuxeoまでお気軽にお問い合わせください