私たちは、コンテンツが爆発的に増加する時代に生きています。この時代が終わる気配は今のところありません。調査会社 IDC がマーケッターを対象に実施した調査では、アセットを増やさなければならないというプレッシャーを感じている回答者が 85%、作成しているアセットの数がわずか 2、3 年前と比べても10 倍に増えたという回答者が 71%に達しました。
スケーラビリティは、将来も有効性を発揮し続ける DAM を作るうえで欠かせない要因となっています。Nuxeo は今年、調査会社 Forrester の報告書「The Forrester Wave: Digital Asset Management (DAM) for Customer Experience, Q2 2018(カスタマーエクスペリエンスのための DAM、2018 年第 2 四半期)」において「実力者」と評価されましたが、この報告書には、様々な DAM 製品のスケーラビリティを相対的に比較したサブスコアも含まれていました。では、Nuxeo のスケーラビリティはどのように評価されたのでしょうか。
Forrester の評価は、客観的な評価規準を用いて行われます。そのなかで Nuxeo は、最高スコアの「5.0」を付けたプロバイダの一社となりました。スケーラビリティに関しては、他社よりも「優れた機能」を持っていると評されました。Forrester は、50 万件以上のアセット管理をサポートしているプロバイダに「5」のスコアを付けました。
50 万件というと、すごい量に聞こえるかもしれません。しかし、Nuxeo では、今日の「すごい」が明日には「まったく十分でない」になることを知っています。ゆえに当社のアーキテクチャは、50 万件を上回る域のために設計されているのです。どの域かというと、少なくとも10 億件のアセットです。
この違いを分かりやすく説明するため、Forrester が設けた 50 万件という水準を、ヤンキースタジアムで飛び出す特大ホームランだと考えましょう(2009 年にラウル・イバニェス選手が打った 145 メートルが今も球場最高記録です)。
Nuxeo はその2,000 倍に相当します。2,000 倍の距離のホームランをかっ飛ばしたならば、その飛距離たるや 289 キロメートルに及びます。場外ホームランどころか、州外ホームランとなって、ボストンのフェンウェイパークまで到達してしまうでしょう。
スピードを備えたスケーラビリティ
しかも、これだけのアセットを高速で管理できるのです。Nuxeo の DAM は、10 億件のアセットがあっても、コンテンツを瞬時に指先に届けます。検索時間はわずか数ミリ秒です。
その仕組みは次のとおりです。DAM に保存されている 1 枚の画像を考えてみましょう。この画像には、複雑な使用権や他の複雑なメタデータが全部で数百フィールドも付けられているとします。しかも、これらのフィールドは、バラバラのデータの断片ではありません。重なり合う複数のグループにまとめられて別々に定義され、任意のアセットに使用されています。「米国での権利」、「動画ファイルに関係するフィールド」、「キャンペーンの詳細」などです。
このような複雑なフィールドのリレーションシップを、複雑な方法でリンクし、組み合わせる必要があります。このレベルの組み合わせともなると、従来型のデータベース技術(SQL)では、パフォーマンスに多大な影響を及ぼします。そこで Nuxeo プラットフォームは、SQL ではなく MongoDB を使用して、この複雑に交差するリレーションシップを管理することで、遅れなどのパフォーマンス問題を回避しているのです。
先ほどの喩えに戻って、ヤンキースタジアムからフェンウェイパークまでの道程を考えてみることにしましょう。従来型の SQL データベース技術は、ラッシュアワーに高速道路 95 号線でニューヨークからボストンへ向かうようなものです。多数の独立したユニットが複雑に行動して渋滞を引き起こす結果、あなたは 6 時間後にフェンウェイパークに到着するでしょう。
当社の導入企業・組織のなかにも、以前使っていたシステムでは検索クエリの結果が返ってくるまでに毎回 10 秒以上待たなければならなかったという会社がいくつもあります。1 回につき 10 ~ 15 秒でも、積み重なると相当な時間数になります。ユーザーはしびれを切らし、待っている間に別の作業を始めてそれに気を取られてしまったり、ひどい場合は DAM をあきらめてしまったりすることもあるでしょう。
Nuxeo は、イーロン・マスク氏が構想を打ち出したハイパーループのように動作します。渋滞の問題をすべて迂回する未来の交通機関です。検索に 10 ~ 15 秒もかかることはなく、10 分の 1 秒以内に結果が返されます。時間節約率は 99%。時速 50 キロで 6 時間かかったニューヨークからボストンへの行程を、音速の 5 倍の速度で 3 分間の旅に変えられるのです。
ファイルのプレビューも、Nuxeo を使えば高速かつスケーラブルです。当社のプラットフォームは、ProRes 4444XQ の 1 テラバイトの動画を実に簡単に H.264 プレビューにコード変換することができます。また、20 ギガバイトの 380 億ピクセル PSB ファイルを.jpg のプレビューに換えるのも、きわめて容易です。
ファイル転送に際しては、スピードも重視しています。時間がかかれば生産性を大きく低下させかねないためです。Nuxeo Edge Cacheを導入した企業は、ダウンロード時間を 95%、帯域幅使用量を 90%削減しています。
将来のためのスケーラビリティ
今から 20 年前、デジタルアセットとは、おおむねドキュメントか画像ファイルを意味しました。リッチメディアは、ごくまれに入る程度でした。以来変化したのは、コンテンツのタイプだけではありません。スケールも劇的な変化を遂げました。これはファイルサイズとメタデータの複雑さの両方に当てはまります。
今世紀初めには、デジタルビデオを使っている企業はほとんどありませんでした。デジタルアセットに含まれるものと言えば、画像と、それよりもやや大きい Flash アニメーションでした。しかし、2005 年には YouTube がデビューし、オンデマンドのデジタルビデオ時代が幕を開けました。
動画コンテンツは、画像やドキュメントに比べてファイルサイズがはるかに大きく、検索も困難でした。そして、企業が制作する動画の数が爆発的に増えるのに伴って、メタデータの重要性もかつてないほど高まりました。
ファイルサイズは、レガシー技術で管理できるレベルをすでに大きく超えています。しかも、コンテンツは変化し続け、増加し続けています。HD ビデオは、当初は一部の放送局だけが使用する技術でしたが、あっという間に消費者が普通に期待するものとなりました。高速インターネット(続いて高速モバイルインターネット)の普及により、HD ビデオの用途がかつてないほど広まり、ますます高い解像度で、ますます多くの機器で使われるようになっています。
Nuxeo の導入企業・組織が数ギガバイトのメディアファイルを大量に有しているということも、今ではまったく珍しくありません。10 年前ですら、圧倒的大多数の企業にとって想像だにしなかった状況です。
コンテンツ業界の「次なる巨大商品」が何になるかは、誰にも分かりません。が、ファイルサイズが小さくなることはまずないでしょう。今から 10 年後には、テラバイト級のファイルを使って、複数の感覚に訴えかけるバーチャルリアリティ体験を提供するのが普通になっているかもしれません。きわめて微細な店舗モデルに基づいて、レジのないショッピング体験を提供するのが普通になっているかもしれません。可能性は無限です。ゆえに、変わりゆく DAM の世界についていくことのできる技術を持ったベンダーを選ぶことが重要です。