Nuxeoは、社内のコラボレーションだけでなく、お客様組織とのコラボレーションも推進することによって、テクノロジーの進化発展に取り組んでいます。私たちは、この「オープンキッチン」アプローチこそが、デジタルアセット管理機能を充実化し、利用しやすいものにすると考えます。

全3回の連載記事の第1回目にあたるこの記事では、Nuxeoのカスタマーサクセスチーム、エンジニアリングチーム、研究開発チーム間のコラボレーションが、著しい成果と功績をどのように生み出しているかについて説明します。

カスタマーサクセスチームは、徹底的な分析を行った結果、当社の顧客基盤の大部分でAmazon Web Service(AWS)がストレージとして使用されていることを突き止めました。この分析結果が研究開発チームと共有され、研究開発チームは、Nuxeo Platformと直接統合するAWSのようなサードパーティ製サービスをもっと増やすべきであることを提案しました。

サードパーティ製データストレージサービスを一時ストアとして利用することは、今や最も人気の高い機能の一つとなっています

ここでは、その人気の理由をご説明しましょう。

ある部門の責任者は、デジタルアセット(動画、画像ファイルなど)を安全かつ迅速な方法で管理する必要がありますが、一般的に使用されているインフラマシンではなく、Elastic Container Serviceや最新のElastic Kubernetes Serviceといったコンテナランタイムを使用したいと考えているとします。

現在、[NuxeoのBLOB管理システム](https://doc.nuxeo.com/nxdoc/file-storage/#blob-dispatcher-and-hsm)は一元管理されているため、Nuxeoサーバへの直接アップロードが行われてから、サードパーティ製ストレージ(AWS S3など)に格納することが必要となります。

ところが、デジタルアセットは絶えず変化しており、コンテンツの量が爆発的に増加するだけでなく、デジタルアセットの質も急激に高まっています。

そのため、既存のデジタルアセット管理(DAM)ソリューションを使用している組織の大半は、きわめて大容量のファイルをすばやくアップロードすることを求められており、また、これらのファイルのサイズが増大していることを受け、ますます厳しい要求がDAMシステムに課されるようになっています。つまり、ニーズや要件の変化に応じて拡張できるDAMソリューションが導入されていなければ、とうてい理想的とは言えない方法でデジタルアセットを管理し続けなければなりません。

サードパーティ製データストレージの価値

Nuxeoは、サードパーティ製サービス(AWS、Azure、jclouds)を活用するアーキテクチャに基づいて、ファイル(BLOB)の管理を容易にします。

nuxeo-architecture-aws

次のようなシナリオを考えてみましょう。
1.ある部門の責任者(名前をAliceとします)がファイル(BLOB)をNuxeoサーバにアップロードします。
2.バケットのAWS一時認証情報(STS)とアップロード用のベースバケットキーがNuxeoサーバから提供されます。
3.Aliceがアップロードを高速化するために地域別のエッジキャッシュを利用し、CloudFront経由でアップロードを実行します。
4.AliceがキーYを使用してサイズ3 GBのファイル「foo.mp4」をバケットXにアップロードしたことをNuxeoサーバに伝達します。
5.ファイルが存在し、チェックサムが正しいかどうかがNuxeoサーバによって検証されます。
6.Nuxeoサーバによってファイルが一時ストアから永続ストアに移動されます。

このように、5つのシンプルなステップで、ファイルの管理が容易になります!

次に、デジタルアセット管理機能がどのように利用しやすくなるかをご説明しましょう。

Nuxeoバッチアップロードハンドラ

バッチアップロードハンドラを使用すると、特定のプロバイダ/キーを与えられたときのファイルアップロード動作をカスタマイズできます(カスタムUIコンポーネントが正しく機能するうえで必要となるカスタムデータを返すなど)。
これは、NuxeoサーバをAWSとともに使用するお客様は、高度な専門知識がなくても、コンテンツのアップロードを直接管理できることを意味します。

Nuxeoがこの新機能を開発した理由は、お客様が自分でスケールアップやスケールダウンを必要に応じて容易に行えるようにすることにあります。その一方で、デジタルアセットを安全かつ効率的に管理するという最重要ビジネスニーズは、Nuxeoによって確実に満たされるようになっています。
また、この機能を開発するにあたっては、「計算機科学のあらゆる問題は別のレベルへのインダイレクションで解決できる」という基本原則も取り入れたことで、綿密に定義されたアーキテクチャが生まれました。次のステップは、この機能を技術的に適合させることです。

Nuxeoはこの機能の実現に向けたさまざまな課題の解決に日夜取り組んでおり、バッチアップロードハンドラの詳細を近日中に発表できる予定です。

この続きは本シリーズの次回の記事をご期待ください。また、皆さんからのフィードバックもお待ちしております!